【三重県施設代表者】 コラム紹介(コメディカルの給与が全産業平均を下回ることが明らかに)

施設代表者ML 代表者各位

おつかれさまです。

三重県立総合医療センターの中村です。

コラム連投いたします。

お金に纏わる問題ですので、余計なことはあまり書きません。

転載記事を読んで、今のおかれた現状を認識することも大切と感じましたので、

情報共有させていただきます。

ちなみに、私自身は給与が安いから臨床工学技士がダメだとは1ミリも思っておりませんので!!

その点、強く否定しておきます。

(臨床工学技士の将来性を上手く見出した者がまだ出ていませんしね)

以下、日経メディカル転載記事

なお、図表類は省いております。

コメディカルの給与が全産業平均を下回ることが明らかに

2023/10/30(満武 里奈=日経ヘルスケア)

厚生労働省は10月27日、中央社会保険医療協議会総会を開き、2024年度診療報酬・介護報酬同時改定に向け、看護師やそのほかの医療職の処遇改善について議論を進めた。医師・歯科医師・薬剤師・看護師を除く医療関係職種(コメディカル)の給与の平均は、全産業平均より低く、特に看護補助者が大きく下回っていたというデータを示した。委員からは、看護補助者を含むコメディカルの処遇改善を急ぐ必要があるとの意見や、看護職員処遇改善評価料以外の方策で対応すべきといった要望が出された。

看護職員処遇改善評価料は、2022年度診療報酬改定で創設された。算定できるのは救急医療管理加算を届け出る施設で、1年間における救急搬送件数が200件以上または3次救急を担う救命救急センターに勤務する看護職員を対象に、同年10月以降の収入を3%程度(月額平均1万2000円相当)引き上げるための処遇改善の仕組みが作られた。医療機関の判断で、看護補助者、理学療法士や作業療法士などコメディカルの賃金改善に充てることが可能になっている。

同日に示されたデータによると、コメディカル(医師・歯科医師・薬剤師・看護師を除く医療関係職種)の2022年の給与の平均は32万7000円で、全産業平均の36万1000円を下回っていた。特に看護補助者が低く、25万5000円だった。介護職員は29万3000円だった。

直近の医療関係職種の有効求人倍率は2~3倍程度で横ばいとなっており、入職超過率は2022年には産業計を0.3%下回る状況であることも示された。なお、2023年春闘の結果では、全産業の平均賃上げ額は1万560円(3.58%)だった。

さらに、入院・外来医療等の調査・評価分科会で示された看護職員処遇改善評価料の実績について報告があった。基となったデータは2023年9月30日までに厚生局に報告書を提出した2553施設のもの。

看護職員処遇改善評価料による収入に占める賃金改善の実績額の割合を見ると、約6割の医療機関が100~105%未満だった。同評価料による収入より1割以上多く(110%超)支出している医療機関の割合は21.6%、105~110%未満の医療機関は13.5%だった。

1人当たりの賃金改善目標額は月当たり1万2000円(給与の3%相当額)だったのに対し、看護職員等(保健師、助産師、看護師、准看護師)への賃金改善の実績(事業主負担相当額を除く)は1万1388円だった。賃金改善額が月1万2000円未満だった医療機関のうち、8割以上は看護職員等以外の職員の処遇改善を実施していた。賃金改善額のうちベア等による割合は約88%で、要件の3分の2以上を大幅に上回った。

報告書を提出した2553施設のうち、約6割(1581施設)は、看護職員処遇改善評価料を使い、看護職員等以外の職員へ処遇改善を行っていた。看護職員等以外の職員への賃金改善の実績(事業主負担相当額を除く)は月6329円だった。

施設基準は満たすが、看護職員処遇改善評価料を届け出ていない施設がその理由として最も多く挙げたのは、「看護職員処遇改善評価料が継続される保証がなく、基本給または毎月支払われる手当の引き上げを行うことをちゅうちょするため」で、約4割を占めた。

日本慢性期医療協会副会長の池端幸彦氏は、医療関係職種の有効求人倍率が2~3倍で推移していることから、「何らかの対応をしていかないと、病院に入ってきていただける看護補助者がさらに減ってしまう」と強い危機感を示した。

日本医師会常任理事の長島公之氏は、処遇改善には診療報酬の引き上げが欠かせないと主張した。看護職員処遇改善評価料について、「評価対象とならない職種や医療機関があることや、補助金からの移行という事情があったため、評価体系として技術的な課題もあることが、今回の実績報告の結果からも見て取れる」と指摘。その上で、「公定価格で経営する医療機関においては価格転嫁ができず、経営努力のみでは対応が困難だ。医療機関が賃上げや人材確保に対応できるよう、十分な原資が必要であることは疑いの余地がない」とし、診療報酬の引き上げが必須であると訴えた。

日本看護協会常任理事の木澤晃代氏も、看護職員処遇改善評価料以外の方策が必要と指摘した。働いている人の不利益にならないよう、引き続き原資の確保が必要だと主張したほか、「看護職員処遇改善評価料は対象医療機関が限られていることから、全職員の処遇改善がなされる方策の検討が重要だと考える」と強調した。

一方、健康保険組合連合会理事の松本真人氏は、「(一般企業のように)医療機関でもぜひ効率化を図っていただきたい。処遇改善のために診療報酬を引き上げるのではなく、医療機関のマネジメントによって、相対的に賃金が低い職種に医療費の増加を還元する流れにしていくべきだ。安易に診療報酬で評価するべきではない」と指摘した。

これに対し、診療側からは反発する意見が噴出した。日本医師会副会長の茂松茂人氏は、「我々はしっかり効率化を図ってきている。医療費が下げられている中で、人の生命を守るための守りがなかなかできないのが現状であることをしっかりご理解いただきたい」と説明。長島氏も、「医療界でもコストダウンや効率化に努めてきたが限界がある。人なくして医療なし、医療は人だ。診療報酬が公定価格である医療界は、他の産業界とは異なる特性があることを踏まえて対応すべきだ」と主張した。